「何も失わない家づくり」
-ゼロエネルギー時代の本物の木材住宅-
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平成20年11月27日、名古屋市「東京第一ホテル錦」で開催された優良社員表彰式の終了後、
自然の住まい㈱・社長マテ― ペーター氏による記念講演が行われました。
伊藤正祥専務理事からマテ―氏のプロフィールを紹介。
1959年オーストリア生まれ
ウィーン大学で日本研究を専攻。1984年同大学院卒業後、国費留学生とし
て来日。日本の住宅事情について研究。
1985年から4年間、埼玉大学でドイツ語を教える。
1989年からオーストリア・TEAM7社の環境にやさしい無垢の木の家具
の輸入を始める。
1996年、社名を自然の住まい㈱と改め、健康的な住まい空間を提案。
2000年、オーストリアのTHOMA社のピュアウッド日本総代理店取得、
現在にいたる。
(www.shizennosumai.com/profile.html)
続いて、「何も失わない家づくり」-ゼロエネルギー時代の本物の木材住宅-と題して講演が始まりました。
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「優良社員の表彰を受けた皆さん、優良社員に恵まれている社長の皆さん、おめでとうございます。」
と挨拶された後、やさしく落ちついた美しい日本語で、概略以下のような話がありました。
日本は、木を最も上手に使う、最も長く使う、そして木造建築の最も美しい国として知られています。
日本には昔からの伝統があります。今日のテーマは何も失わない家づくりです。今の家はシックハウス
症候群により健康を失います。家族の輪を失い、時には財産も失います。家を買うとき、坪単価いくらと
尋ねて買うと、主導権を相手に渡すことになります。品質に対して知識がないと、病気になる家が
できてしまいます。本来、ひとたび家を造れば何百年と持ちます。親の世代で家を建てれば、
つぎの代で家具を揃え、長く豊かな生活をおくることができます。15~20年で建て直す家を造れば、
豊かな生活はおくれません。
10年前、記録的な性能を持つピュアウッドをトーマ氏が発明しました。板をダボで集成したもので、
接着剤は使われていません。直径19ミリの穴に、21.5ミリのダボを入れます。ワイヤで締めた
含水率3%以下の素晴らしいダボが打ち込まれる木は、含水率が10%以上です。ダボが中に入ると、
ダボの繊維が回復するので抜けなくなります。主要な木材はヨーロッパでは、トウヒ、モミ、マツ、
ブナなどです。日本ですと杉、桧、カラ松などです。木は静かなダイナマイトと言われます。火で
あぶった木のくさびを岩に差し込み、水をたらすと木は膨張し、岩は割れてきます。
木は燃えますが、それには条件が必要です。鉄筋コンクリートと木の燃焼実験を比較しますと、
鉄筋コンクリートは20分経つと中の鉄の配筋が400度になり、膨張して崩れてきます。木は
120分経っても燃えていないところは1~2度しか温度は上がりません。柱構造の家だと柱間が
燃えてしまいますが、壁が連続したピュアウッドやログハウスは120分~150分経っても崩れません。
家の中の人の命を守るには、燃えだしてから30分間持つことが必要です。木は燃えるとき、
0.7ミリ/分しか燃えません。10分で7ミリ。分厚い木の炭化速度は0.2ミリ/分で更に少ないです。
木は独立した空気層を多く持っているので、断熱材としての効果も高いのです。2x4の家の
冷却所要時間は約8時間。ピュアウッドの家は280時間もあります。木の壁にすることにより、
夏は涼しく、冬は暖かい理想的な家が保障されます。湿度調整能力も木の家は高いです。2x4や
レンガの家は湿度20~30%と乾燥しますが、木の家は50%で健康にいいのです。
木は高周波遮断性能も持っています。高周波障害は病気になりやすいといわれていて、どうやって
自分を守るかということです。トーマ氏が木の高周波遮断性能を調べました。厚さ30センチの木は、
99%以上の高周波を遮断できます。
木は力や衝撃に弱いと思われていますが、ピュアウッドの17センチ幅のもので、7倍の壁倍率があります。
通常2x4の壁は1トンの荷重で壊れますが、ピュアウッドの壁は10トンでも壊れません。
水平パネルは20トンでも壊れません。木材が何層にもなっていて、ダボがたくさん入っているので
せん弾力も強いのです。また、2x4の家は水につかると壁が膨れてきますが、ピュアウッドは接着材を
使っていませんので、水害にあっても壊れません。オーストリアの洪水で1週間浸かっても大丈夫でした。
木製の洗面台や風呂桶も水がたまらないよう工夫すれば問題ありません。四角い構造は角に水が
たまるので腐ったりします。すり鉢状に水がたまらないようにすれば何十年も持ちます。
ピュアウッドの家は木の持っている保温性を生かして自然エネルギーだけで暖房、冷房ができます。
木の壁が厚ければ冷えにくいのです。屋根に8㎡のソーラーパネルを取り付け、冬は40℃のお湯を
壁の中に送り込んで暖房します。土は熱の吸収力が高く、放熱も早いです。木と土をうまく使い、
室内の土壁で放熱させ、外は木材を使って放熱しないようにすれば、暖房はいりません。また、
18℃くらいの地下2mにある空気を、壁の中に入れたパイプで循環させるやさしい自然の冷房と
暖房もいいのです。シックハウスになるスチレンやポリエステルは使いません。木や土の自然素材を
使って家の性能を高めるゼロエネルギーの住宅が望ましいと思います。
ピュアウッドは、有機素材など体に毒になるものは使いません。換気システムは不要です。
高気密高断熱住宅は有機物を多く使っており、ビニルを頭にかぶっているようなものです。
ピュアウッドはCO2を住宅に蓄積しています。1軒で200m3の木材を使います。普通の家の
20倍の木材を使います。それを200年~何百年、ため込むことができます。ヨーロッパの住宅は
400年以上の木造住宅が多くあります。ロシアや日本にも古い木造住宅はあり、CO2対策に
最も良いと思います。暖房を使わない住宅は、何も燃やさない、ガス、石油、エネルギーを使わないので
CO2削減対策にとてもいいのです。
今の日本の住宅は30年ごとに立て直すことが多く、それでは早すぎます。処分のための費用もかかります。
ヨーロッパでは古いものを直すときだけ、新建材を使いますが、普通は使いません。ピュアウッドは
床にも壁にも木材を使い、一般地域だけでなく、防火地域でも分厚い木材を使います。防火地域で
ピュアウッドを構造材としますと建築基準をとおりませんので、その場合は内装材として使えば問題ありません。
木の正しい伐採時期も重要です。良質な木材を得るには、冬の新月伐採、実際には9月から
2月くらいまでの、下弦から新月の時期の伐採が必要です。木につぼみや葉が芽生え始めると、
樹木の活動が活発になり、水分や養分を多く含んだ木になります。新月の時期に伐採し、
木材にされたものは、水分や養分が少なく、腐りにくく、虫にも食われにくい丈夫な高品質な
木材になるのです。ピュアウッドはその新月伐採の木材のみを使用しています。
これからは、木を見直して、環境対策に効果のある、そして省エネ時代に対応した、
長持ちする健康的な住宅を考えていくことが大切です。
以上









